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開化堂カフェ 外観1
昨年の5月下旬に新しくできたカフェ。前回はGW中しか京都におらず入り損ねてしまい、年末来た時も機会がなく、やっとこの夏訪れたら、なんと臨時休業!! 
翌日ようやく3度目の正直で来店できました。

開化堂カフェ 外観2
外観はアールデコ調。旧内濱架線詰所として1927年(昭和2年)、市電架線が断線した際に復旧措置をする保線施設として開設されました。南側に保線車両の車庫、1階は作業空間、2階は事務所として使われていたようです。その後、京都の市電が昭和53年に全線が廃止された後は、倉庫などとして使われていたそう。

開化堂カフェ 外観3
窓の部分がとても大きな間取り。建設当時はもちろん、こんなに大きな窓は作れないはずで、リノベーションの際に壁をぶち抜いたのかとも思いましたが、後で店員さんに聞いて、この建物は市電の車庫兼事務所だったと知りました。それでこれだけの間口&天井の高さだったのか!と、とっても納得。そして、普通こういった建物をリノベーションすると床はそのままであることが多いのに、新しくなっているのは昔ここにレールがしいてあったからだったのか・・・とそこも納得。

開化堂カフェ 1階1開化堂カフェ 1階2
中はナチュラルウッドの家具でまとめられたシンプルな内装。北欧っぽいな・・・と思っていたらデンマークのデザイン事務所が設計したそう。
開店からまだ1年ちょっとということもあり、清潔感があふれています。2階に続く階段あたりは昔のままですが、喫茶スペースは天井以外改装してあり、床も新しいです。窓際の一人客がパソコンを使っていて気付いたのですが床にコンセントがあり、お客が使えるようになっています。本当に中は今風な便利さ。

開化堂カフェ 1階3開化堂カフェ あんバタ

開化堂カフェ 1階4喫茶メニューとしてはコーヒー・紅茶そして茶筒のお店・開化堂が出したカフェらしく、日本茶もあります。
軽食はそれほど力は入れていないようで、トースト類と日替わりのポトフ?とスープ類あたりです。意外にも、キッズメニューが設けれていて、オレンジジュース、ミルクなどが200円というのは良心的。
今回、アイス抹茶ラテ¥850とあんバタ(ートースト)\480を注文。抹茶ラテはしっかり濃い抹茶。砂糖は入れませんでしたが、テーブルに備え付けの砂糖入れもやはり開化堂製のものです。
あんバタは小ぶりのトーストに1センチほどの厚みもある餡がたっぷりのっています。食べるとバターの風味がほんのり感じられ、品の良い餡と相まって美味しいものでした。

開化堂カフェ 1階脇
七条あたりの河原町通りは京都と言っても、観光客はほとんどいないところで、ここにお客さんって来るのかな?と思っていましたが、1時間ほどいる間には混みはしないものの、絶えずお客の出入りがありました。そして韓国人のお客さまも。今回の旅行でしみじみ思いましたが、ここ10年の間に京都には本当に外国人観光客が増えました。ちょっと有名な飲食店なら半分は外国人という感じ。

開化堂カフェ テラス
店内はテーブルにもゆとりがあり、20名も入れば満員かなという感じですが、奥には中庭もあってパラソル付きのテーブルもありました。外にも他に扉があって、アンティークな照明もあります(これはオリジナルじゃないかも?)。

開化堂カフェ 階段

開化堂カフェ 2階1
支払いの時に階段辺りを見てよいか尋ねたところ、思いがけず2階を案内して頂きました。2階も喫茶室なのかと思ったら、ちょっとしたショールームになっていました。6畳ないくらいの小さめのお部屋で、おそらく当時は宿直室として使われていたのではないかということです。

開化堂カフェ 2階2 もし2階をご覧にな
 る機会があれば是非
 チェックしてほしい
 のは、棚の下に隠れ
 ているレールの断
 片。
 ここがかつて車庫で
 あった確かな証拠
 です。








開化堂カフェ 2階3見たこともない道具
ですが、これは茶さ
じに名前を入れる際
に使う台だそう。
土曜のみ職人さんが
いらして茶筒を買わ
れた方に彫ってくれ
ます。









開化堂カフェ ドアノブ お店の出入り口の扉の内側の取っ手は電車の
 ハンドルを再利用したもの。
 電車に詳しくないと全然気が付かないほど、
 ちょうど良いサイズにぴったりな形。

 ●Kaikado Cafe
 住所:京都市下京区河原町六条東入
 電話:075-353-5668
 HP:http://www.kaikado-cafe.jp/  
 https://www.facebook.com/kaikadocafe352/
OPEN:10:30–19:00 (L.O.18:30)
CLOSE:木曜日、第一水曜日(夏季休業、年末年始休業有)


吉祥院六斎念仏(今日のおまけ)
毎年8月25日に吉祥院天満宮で行われる、吉祥院六斎念仏に行ってきました。こちらの天満宮は菅原道真生誕の地として有名だそうです。
境内や参道には屋台がズラリと並び、大変な盛況。この日も猛暑で夜になってもまだ暑かった上、境内は人混みでさらに2、3℃高い感じでした。
念仏は鉦(かね)や笛・太鼓の曲や獅子舞などを奉納する国の無形重要文化財。あまり長くいられず、獅子舞や土蜘蛛を見られないのが残念でしたが、前半は子供たちが太鼓を叩いており、地元に根差した伝統芸能に少し触れることができました。
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レモン館 全体
こちらは大徳寺脇の道をしばらく行った先にあるカフェ。大正末期の農協の銀行ということで行ってみました。それほど近代建築度は高くなかったですが、アンティークな家具が設えてあることもあり、レトロな雰囲気が良いお店でした。

レモン館 入口 レモン館 カウンター

レモン館 床言われなければ銀行だったとは到底分かりませんが、窓口だったところがカウンター、待合いだったところはテーブル席になっています。床は一部、石が敷き詰められていて、これも銀行だった頃の名残でしょうか。

レモン館 デザートセット



おすすめのお任せ弁当(\1200)とケーキセット(\700)をそれぞれ注文。
すでに3時を過ぎていましたが、お弁当はランチ限定という訳でなく頼めて良かったです。

レモン館 お任せ弁当1レモン館 お任せ弁当2レモン館 お任せ弁当3
最初に来た甘鯛の飯蒸しはもっちりした食感でとても美味。生ゆばの刺身など京らしいおばんざいと半月型の弁当箱がまたいい感じ。お吸い物も本格的。

大徳寺からちょっと離れていて、周りはほとんど普通の民家なのに、お客が途切れずやってくるのは、割りと京都のガイドブックに載っているからだけではなく、この味のためかもしれません。

レモン館 元待合室? レモン館 カウンター前

レモン館 ビフォーアフターお店は女性ひとりで切り盛りされていました。なんだかちょっと愛想ないお店かも、と思いましたが、『あー、でもこれって自分が無愛想なせいかも』と反省。
そのおかげ・・・ではないと思いますが、いくつか細やかな心遣いが感じられて、つかづ離れずの距離感がちょうど良かったです。

(店舗データ)
●レモン館 大徳寺前店
住所  :京都市北区紫野上門前町61-1
営業時間:11:00~18:00
定休日 :月曜日定休(月曜日、祝日の場合は火曜日休業)
TEL   :075-495-2396




ずいき祭り(今日のおまけ)
レモン館に行く前に北野天満宮でずいき祭の行列を見てきました。ずいき祭は10月1日から5日間行われる、五穀豊穣を喜び感謝する秋祭り。里芋の茎・芋苗英(いもずいき)で神輿の屋根を葺くことが名前の由来だそうです。
京都の三大祭に比べるとかなりローカルで観光客もそんなにいなくて、見やすかったです。
東華菜館 全体
東華菜館で食事をしました。京都へ来ると四条には必ず行くので、外観はいつも見ていますが、中に入るのは約10年ぶり。

こちらの建物はもともとは「矢尾政」という西洋料理屋さんでした。その「矢尾政」もさらに遡ると料理屋ではなく、もとは八百屋。そう言われれば八百屋っぽい名前ですわ。で、八百屋だったのに、明治20年ごろ何故かカキ料理店をおっぱじめ、それから10年ほど過ぎて、すき焼きブームに押されると今度はビアレストランに変身。なんかこの経歴、節操ない感じです。

東華菜館 正面
昭和16年、大東亜戦争が始まると、食材が入手しづらくなったり、敵国の料理の店ということで、レストランの存続自体が危うかったりと冬の時代を迎え、つい閉店。
矢尾政二代目・浅井安次郎は友人の中国人料理人・于永善氏に建物を託しました。文献には託すと書いてあるだけで、売却したのか譲ったのか、貸したのか、その辺がよく分かりませんが、終戦後の昭和20年末に現在の北京料理店「東華菜館」がオープンしました。

東華菜館 1階
東華菜館 階段
設計はウィリアム・メレル・ヴォーリズなのですが、彼が宣教師でもあったため、禁酒禁煙を信条とするクリスチャンに依頼するならと、ビアレストランではなく、ただのレストランとして設計を頼んだのだとか。ヴォーリズさんはそこらへんはあまり気にしなさそうですけど・・・。

東華菜館 テラコッタ
見所はなんと言っても、正面入口入ったところ。スパニッシュバロック様式です。様式のことはまだまだ分からない自分にでもすぐ分かるほど濃いバロック。そういえばスペインに行ったとき、行く先々の教会の装飾の濃ゆさに(首だけの天使がいっぱいいるとか)食傷気味だったけど、今思えば、あれがスパニッシュバロックだったのか・・・。

東華菜館 タコ東華菜館 イルカ
食事をしない人でも見られるのでじっくり見てほしいですが、テラコッタのレリーフがめっさ気持ち悪い! 
外壁の羊とかホタテ貝とかはまだいいのですが、扉の上のタコなんかはグロイ!! 本物のタコっていうより、エドウッドとかのB級ホラー映画に出てきそうなタコ(ホラー映画は怖くて観ないので想像でもの言うてます)。脇のイルカらしきものもヘンな足みたいなのがついててキモイ。
ほんと、めちゃくちゃインパクトある建物ですわ。
ヴォーリズは一体何を思って作ったんだか不明。でも、おちゃめな人だったという気がしてならないので、妙に納得できるような。。。

東華菜館 エレベーターこちらでもう一つ有名なのは手動式エレベーター。時計針式フロアインジケーターがなんともレトロ。
銀座の奥野ビルの手動式エレベーターなんかも現役ですが、こちらはお店だけあって運転手さんが操作してくれます。しかも現存する日本最古のもの(大正13年(1924)米国OTIS社製)。
3月に訪れた大阪の生駒ビルのエレベーターは、最後の頃、壊れかかって階と階の間で開くようになってしまったと言ってましたっけ。日々のメンテナンスには常に配慮しているそうです。

このエレベーターにのって4階へ。以前両親と訪れた時は別の階のもっと洋風な個室だったような気がしますが、4階は中華料理屋になったあとに照明をとりつけたのか、中国っぽい内装。
先客は1組だけ。しかもすぐに出て行かれたので、広い店内貸切状態でした。

東華菜館 4階
東華菜館 4階

あれこれ選ぶ余裕がなかったので、コース料理にしましたが、うーんこれはちょっと失敗だったかも。
お店のスタンスとしては、長い歴史を持つだけに、親子三代楽しめるような変わらない味だったり、少しずついろんなものを食べて欲しい、というような感じみたいなのですが、変わらないというのが、半分、古臭いに足突っ込んでます。味も見かけも。
途中、エビチリ的な味付けもあったものの、全体が北京料理だから当然かもしれないけど、塩味ベースばっかりでちょっと飽きるし、個々の盛り付けをみれば、ニンジンを花や蝶に細工したレベルの高さを見せながら、全体的には華がない・・・。
食材自体もすごくいいし、湯葉や鱧といった京都らしいものも取り入れているのに、なんか残念。。。
東華菜館 前菜東華菜館 ふかひれスープ東華菜館 揚げ物東華菜館 エビチリ東華菜館 蝶
東華菜館 イカ東華菜館 唐揚げ東華菜館 餃子東華菜館 餡入り揚げ餅東華菜館 杏仁豆腐

あと、コース料理だとサービス料が10%かかるという、ちょっと変わった体系。ただサービスは見合ってないです。フロアの女の子は中国人でイマイチ会話が通じないというのを割り引いても、どうも気が利かない。おぼこい感じは嫌いじゃなかったけど、お金取るなら、いつまでも山村の素朴な娘っ子みたいなままじゃいけませんわよ(と、無愛想なわたくしが言うのもなんなんですが)。

多分、昔ビアレストランだったという思いも込めて、ビールと春巻きを楽しむくらいの使い方がいいのかも。
父は学生のころ、よく教授と屋上のビアガーデンへ行ったと話していたので、今度来るときはそのようにしたいと思います。

(参考文献)
モダン・シティー・KYOTO―建築文化のカタログ都市モダン・シティー・KYOTO―建築文化のカタログ都市
(1989/10)
京都建築倶楽部

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新版・京都の洋館新版・京都の洋館
(2009/06/01)
藤原安紀子、サカネユキ 他

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(今日のおまけ)
両足院京都のお寺で拝観できる所は8~9割方行ったと思ってましたが、両足院は完全にノーマークでした。
庭に半夏生(ハンゲショウ)というドクダミ科の植物が群生するため「半夏生の寺」とも呼ばれ、この時期、1ヶ月間だけ特別拝観できます。

半夏生は虫たちを誘うために花のまわりの葉が半分ほど白くなることから「半化粧」とも呼ばれているそうです。白い葉が庭園の色彩を決めるほどの群生で見ごたえがありました。

平成25年度 建仁寺塔頭両足院 初夏特別拝観 
 【題】半夏生の庭園特別公開
【期間】6月8日(土)~7月10日(水)
【料金】大人600円 中高生300  小学生無料 
【時間】10時~17時(16時半受付終了)
【茶室特別公開】国宝・如庵写し「水月亭」特別拝観 
●生駒ビルヂング(生駒時計店) 
明治初期から輸入時計を扱っていた生駒商店(のちの生駒時計店)。昭和になって、店を構えていた御堂筋の拡幅工事で立ち退きしなきゃならない&堺筋出張所のあった平野通も拡幅工事で軒切りの目にあう、と踏んだり蹴ったりな状況になり、「えいっ、そんなら思い切って」・・・と思ったかどうかは分かりませんが、出張所のあった方に新しい本店ビルを建てることにしました。
それが今の生駒ビルヂングです。

生駒ビルヂング 全体

今回はオーナーさん直々にガイドして頂き、楽しいお話をいろいろと聞けました。

設計を手がけた宗建築事務所は大阪では大御所の宗兵蔵の事務所だそうです。正直なところ、宗兵蔵って言われてもピンときませんけど、難波橋なんかも宗兵蔵。ふ~む。
ま、実際の生駒ビルヂングは、本人ではなく事務所の若手がやったみたいです(後に京都工芸繊維大学の学長となる大倉三郎が原案を作成、脇永一雄が実施設計)。

建築費は約15万円、大正時代の土地購入費が約20万円。
窓台にテラコッタ、鷲の彫刻、スクラッチタイルの外壁と贅沢な造り。
見所は時計台とその下に縦に並んだ窓。夏は街路樹で分かりにくくなるけれども、通して見ると振り子時計のデザインになっています。夜は明かりがついてより分かりやすいかも。
生駒ビルヂング 鷲

生駒ビルヂング 1階
1階は、イタリアンバール「ムウムウ&イル・バール・セントラルバンコ」とレンタルオフィスの出入り口に分かれています。無断での内部見学はお断りのようですが、バール利用の場合、奥のトイレを借りることになるので、その際にでも1階のチョコレートフォンデュみたいな手すりの階段やステンドグラス、エレベーターなんかが見るとはなしに見られますね。

生駒ビルヂング 壁階段はふんだんに大理石が使われています。専門家から見ると、3億年くらい前の大理石らしいです。

なお、現在バールとオフィスフロントを仕切っている壁は、阪神淡路大震災のあと耐震補強のため作られたもの。
12年くらい前までは上に時計店の事業所や作業場があったそうですが、今は外商のみ。


生駒ビルヂング ステンドステンドグラスの位置も変わりました。店舗だったときはショーケースの上、日本で言う欄間の位置にあったもの。昭和の頃はそういったものをあまり大切と思わず、改修してしまってオリジナルを保管しておこうという発想もなかったそうです。

画像左上にあるかまぼこ型のステンドグラスも昔と位置が違います。上の「G]は完全オリジナル。
「I」は1950年代にはもうなくて復元したもの。このローマ字、G・Iは創業者・生駒権七のイニシャルです。ちなみに生駒商店、木造の頃は「大権堂」という屋号でした。

生駒ビルヂング 照明





今はオブジェに見えるアールデコな物体も、上下さかさまにしてみれば実は照明器具。改装のとき分かっていれば使ったのに、倉庫の一番奥に閉まってあって後から気付き、今はオブジェに。
とりあえず錆びないように塗装してありますが、もともとは濃いモスグリーンとのこと。この先また改修することがあれば本来の用途に戻す可能性は高いようです。

生駒ビルヂング エレベーター

エレベーターも素敵なのですが、残念ながら、今は裏に鉄板をはってあって動きません。
1950年代にはもう壊れかけていて、ちゃんと階で止まらず、2階と3階の間で開く、みたいな結構デンジャラスな状態だったそう。昔は二重蛇腹の扉だったみたいです。

生駒ビルヂング 金庫エレベーター脇の時計は、1930年にビルを建てた時に、標準時計として時計塔の機械といっしょにロンドンからきたもの。ベンソンという会社のものですが、会社はもう潰れてしまったそうです。会社はなくなっても時計はまだ時を刻み、存在証明を果たしているというのが感慨深い。・・・って、あ? あの時計、動いていたっけかな。

←奥にはかつての金庫が。高級品、預かり品、宝石などをしまってありました。あ、今は貴重品は置いてないです。

オーナーのご好意で時計塔も見せて頂きました↓
塔の時計はかつて3方向にありましたが、ビルができた南側は今は針を外しています。今は8時・12時・16時・20時の4回、デジタルで録音したものを流してるそうです。

生駒ビルヂング 時計台

生駒ビルヂング バール見学後、オーナーさんも交えて1階の「ムウムウ&イル・バール・セントラルバンコ」でコーヒーブレイク。
こちらの内装はビルとは直接関係ありませんが、ビルの雰囲気に合わせてあって、違和感ないです。
ところでバンコって立ち飲みって意味ですよね。イタリアだと立ち飲みとテーブルに着くのでは同じコーヒーでも値段が変わりますが、ここも立ち飲みだとお安くなるのかしら。。。今回はグループの方が一括注文してくれたのでコーヒーの値段自体もよく分からないのですけど、「バンコ」ってわざわざお店の名前に入っているのは珍しいですね。

生駒ビルヂング 金庫マーク←金庫にあった標章。大谷製。

(建築データ)
竣工 :1930年(昭和5年) 、改修2002年(平成14年)
所在地:大阪市中央区平野町2-2-12
設計 :宗建築事務所、改修・Y's建築設計室
構造 :鉄筋コンクリート造、地上5階、地下1階
備考 :国登録有形文化財


●旧武田長兵衛商店本館(武田製薬工業道修町ビル)
旧武田長兵衛商店本館
帰りに通りかかった武田のビルは改修中でした。シンプルながらもタイルのレンガ色と1階部分の装飾が上品です。
武田製薬は1781年(天明元年)、初代武田長兵衛が道修町2丁目で薬種仲買仲間として独立したのが始まりだそう。道修町は今でも製薬会社や薬問屋が多く、漢方のお店なども見かけました。
設計した片岡建築事務所の松室重光は片岡安の同級生で、武田薬品関連の建物を多く手がけました。
京都だと彼の設計はハリストス正教会聖堂、京都府庁舎旧本館などがあります。

(建築データ)
竣工 :1928年(昭和3年)
所在地:大阪市中央区道修町2-3-6
設計 :片岡建築事務所(松室重光)
施工 :大林組 
構造 :鉄筋コンクリート造3階、地下1階(後年5階に増築)

●塩野義製薬本社
塩野義製薬本社前代の建物の一部が残されています。
かつての建物は台湾総督官邸(現台北賓館)、旧朝鮮総督府庁舎を手がけた野村一郎が設計、1924年(大正13年)に竣工しました。
現在の建物の柱は前のデザインをシンプル化したものになっています。

ちなみに、こちらは大阪薬科大学発症の地でございます。


(今日のおまけ)
2,3年前(?)、京阪のフリーペーパーで「京阪沿線に洋風建築の粋を見る」という連載があり、それにあわせてスルッとKANSAI(プリペイドカードのこと)が販売されていました。たまにしか関西には行かないので全種類は買えませんでしたが、今回の生駒ビルヂングとその1で紹介した図書館バージョンはゲット。

スルッとKANSAI

(参考文献)
大大阪モダン建築大大阪モダン建築
(2007/10/20)
不明

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長楽館 正面

長楽館 玄関←お正月にはそれらしい飾り

ル・シェールについては以前、取り上げましたが(→こちら) 、建物などについては何も書かなかったので、ここで改めてご紹介を。
施主は明治のタバコ王・村井吉兵衛(1864-1926)。貧しい小商人の次男坊に生まれました。9歳で叔父の養子となり、タバコの行商を生業とし、町や村を一軒づつ回って売り歩くという地味な商売でしたが、吉兵衛が次のステップアップとして選んだのが、店を構えることではなく、タバコそのものの製造。
彼がアメリカ人宣教師・ベリー博士から紙巻きタバコの製造法を学び、明治24年、両切の紙巻きタバコを製造・販売したのが日本で初めてのことでした。

こちらの建物は明治42年竣工。タバコ事業はその5年前に日露戦争の戦費調達のため、製造が国営になり、その後の建物ということになりますが、政府に売却したことで莫大な資金で村井銀行を起こしたほか、京都瓦斯、帝国製糸、印刷業など手広く商売し、財閥を作り上げました(以前紹介した「きょうと和み館」は旧村井銀行 七条支店でした)。

そんな豊富な資金力を背景に作られたのがここ、長楽館であり、外観こそかなり地味ですが、中はルネサンス・バロック・ロココ・中国風・桃山風と、なんでもありというか、てんこ盛りの建物になっています。本当に外観と中のギャップがかなりのものですが、中の豪華さは、個人宅(ここは村井の別邸)としてはトップの部類。

この日は主人の誕生日のお祝いで来訪(でも東京でもまたお祝いしました。まあ、お祝いは口実でなんかうまいもんが食べたい♪というだけなのが実情・・・)。
よく考えると、ここに来ると、フレンチを食べに行くばかりで喫茶室に行ったことがなく、他の部屋の写真がなくて申し訳ないんですけど・・・。
今日はまず始めに、いつものウェイティングルームではなく応接室に通されました。暖炉がついてて温かいからかな? 現在保存されている洋館の暖炉の多くが塞がれている中、現役で薪をくべてあるマントルピースなんて、かなり貴重です。近寄るとかなりあったか~。
アクセサリーとしてだろうけど、暖炉の上にはしっかりふいごも置いてあったし、そう言えば、玄関脇にはたくさん薪が積んでありましたよ。管理が大変そう。。。
長楽館 応接室暖炉 長楽館 応接間
長楽館 薪 長楽館 ふいご

一番の奥にあるル・シェールにも暖炉はありますが、ここは残念ながらただのオブジェと化してします。。。
ル・シェール 全体

ル・シェール 暖炉

ル・シェール 天井 ル・シェール ステンドグラス

今回の大発見はここのオーダーがコンポジット式だと気付いたこと。文献以外で実物見たの初めてかも!・・・って、ここには何回か来てるのに初めて気付くというのもどうかと思いますが(^_^;
ル・シェール コンポジット

パラッツォ コンポジット↑画像左下にある、黒っぽいのがコンポジット式の柱頭。
コンポジット式というのは5種類あるオーダーの中で一番華麗なもので、コリント式のアカンサスの上にイオニア式の渦巻きがのっているもの。

こんな派手なものは、これだけ豪華な室内でなければ似合わないし、これだけ豪華だからこそ当然のコンポジット式とも言えましょう。


←コンポジット式の図解(水天宮のロイヤルパークホテルにある「パラッツォ」のウェイティングルームで発見)


お正月のランチ
ル・シェール アミューズ ル・シェール スープ
(アミューズ) 丹波の黒豆を赤ワインで炊いた  (スープ) レンコンと鴨肉のしんじょ、
          たもの、下は百合根のムース           ユリ根、コンソメスープ  

ル・シェール 魚料理 ル・シェール 肉料理
(魚料理) 中はふっくらと焼き上げた土佐の鯛( (肉料理) 北海道産和牛ステーキ エシャロットを 
海援鯛)の上にはパウダー状にしたからすみ。   みじん切りにして赤ワインで煮つめたものをバター
春菊を使ったソース。                   とあわせたものが上にのっています。
                                つけあわせには関西らしいくわい

ル・シェール デセール ル・シェール 小菓子
(デセール) 木苺のムースと杏アイス        (小菓子) マカロンと焼き菓子


長楽館 暖炉(建築データ)
竣工  :1909年(明治42年)
所在地:京都市東山区祇園町南側
設計  :J・M・ガーディナー
構造  :鉄骨石造一部レンガ造、地上3階、寄棟造
備考  :京都市指定文化財

(関連記事)
2010.07.24 ●長楽館 ル・シェーヌ 
2011.06.05 ●村井兄弟商会 芝工場門柱(東京渋谷 塩とたばこの博物館
2011.07.19 ●きょうと和み館 レストラン&カフェ ろまん 

(参考文献)
建築探偵・近代日本の洋館をさぐる (NHK人間大学)
(1998/10)
藤森 照信

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(今日のおまけ)
長楽館ちらし3月に春の特別公開企画として長楽館3階の普段非公開の和室「御成の間」が公開されるようです。
それに合わせて、「華道家 仮屋崎省吾の世界」が開催され、期間中は本人が常時滞在し、サイン会やトークショーが行われます。
なお、期間中にレストランを予約すると仮屋崎省吾展の招待券がついてきます。

●長楽館 非公開和室「御成の間」春の特別公開企画
期間 :2012年3月14日(水)~19日(月)
時間 :午前10時~午後8時(受付終了7時半)
入場料:当日1000円(前売り900円)