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山の上ホテルはヴォーリズが手掛けたもので、もともとはホテルではなく、財団法人・日本生活協会の「佐藤新興生活館」でした。なんでも、女性のための欧米式礼儀作法の啓蒙施設だったんだとか。・・・なんだか名前も目的もたいそうですわ。
夜の山の上ホテル正面

ジグザグファサード変遷としては、
1937年(昭和12年) 佐藤新興生活館
1941年(昭和16年) 日本海軍接収
戦後            米陸軍婦人部隊宿舎
1954年(昭和29年) 実業家・吉田俊男が借り受け内部改装のうえホテル開業
1980年(昭和55年) 内部改装
とのこと。

もともとがホテルではなかったせいか、こじんまりとしていて天井も低め。今時のホテルは吹き抜けがあったり、天井が高かったりするのと比べれば、多少圧迫感がありますが、このアットホームな雰囲気が数多くの文人を惹きつけたのでしょうか。近くに出版社が多く、交通の利便性が良いこともあって、池波正太郎、山口瞳なども常連客でした。
山の上ホテル ロビーその1 山の上ホテル ロビーその2

せっかくなので泊まってみようかという話もでましたが、なにしろ家から自転車で行ける距離なので、泊まる必然性がなく(^^;、また、「ホテルニューグランド」のような近代建築ファン好みの宿泊プランもなかったので、食事のみとなりました。
そのため、建物は外観とロビーをちょろりと見学したのみです。螺旋階段が美しいらしいのですが・・・見損ねました。ロビーは古風でいい感じです。

文人ホテルとしても有名ですが、それと同じくらい、もしくはそれ以上に有名かもしれないのが天ぷらのお店「山の上」です。ミシュランの名を挙げるまでもなく名店の「近藤」「てんぷら深町」を輩出したのもこちらのお店。
とはいえ、店構えは品はありつつも控えめな雰囲気なので、そんなに気構えることもありません。

天ぷらと和食 山の上 入口入口から入ると右へ曲がって扉を開けたところにあります。中は思ったほど広くなくて左にカウンターがのび、右奥にテーブル席。
天ぷらと寿司はやっぱりカウンターでしょう、ということでカウンターへ。
そして山の上ならやっぱり懐石より天ぷらでしょう、ということで、天ぷらメニューの中から天ぷら定食(梅)にしました。こちらは9,450円と一番お手頃な夜のコースですが、(竹)や(松)はないんですね(・・・なぜ??)。 代わりにNo.1~3のコースがほかにあります。

木の扉の奥には氷を敷かれたタネが(梅)を選んだのは、メインが
一、活巻海老(2)、魚(3)、野菜(7)
二、刺身二点盛、活巻海老(1)、魚(2)、野菜(4)
のどちらかに選べたからです。そして「二」を選択。無論、天ぷら目当てではあるものの、あんまりカロリー摂取したらまずいかなと思いまして(^^;
でもこれが結果的には胃袋的に正解でした。最後は程よい満腹感でした(加えて、今回は最初から、ここを出た後、地下のモンカーブでワインを飲む予定だったこともあり)。

鮪とかれいのお刺身まず最初に鮪とかれいのお刺身がでてきました。厚めに切られた鮪は脂がのっており美味しかったです。
それを食べ終わると、いよいよ天ぷらです。



海老の殻、海老、みょうが、キス、いんげんの大葉巻き、ちあゆ、アスパラガスの7品。
エビの殻と天つゆエビみょうがキスいんげんの大葉巻きちあゆアスパラガス
さすが、どれも素材が非常に良いです。みょうがを食べた時に特に思いましたが、ほろ苦さの中に甘みがあり、普段みょうがはあまり好きではないのですが、これはおいしく頂けました。

とうもろこしのかき揚げ(御飯物)しかし何気に一番おいしかったのは締めのとうもろこしのかき揚げだったかも。ツブツブの香ばしさと甘めのつゆが合います(つゆは辛め、甘め2種類用意)。逆に残念だったのは、はまぐりのしんじょの澄し椀。しんじょの形、舌触り、汁とすべてに繊細さが全く感じられませんでした。
まあ、天ぷらのお店だし・・・と思えば許容範囲ですが、ここでは懐石料理は食べない方がいいかも・・・と思ってしまったほどです。
お椀は澄し椀のほか、赤だしも選べるので、こちらのほうが今日は当たりでした。

(デザート)抹茶アイスクリーム    抹茶アイスクリーム

てんぷら深町のかきあげ天丼(今日のおまけ)
山の上、近藤、てんぷら深町・・・さすがにどこも名店だけあって、お昼でも5000円以上と、なかなかいいお値段です。
ただし、てんぷら深町については、かきあげ天丼は2500円で食べる事ができます(それでも十分高い・・・)。
3年ほど前、働いていた会社が近かったのでお昼休みに食べに行ったことがありましたが、その時は2100円でした。結構な値上がりです(^^; 

(建築データ)
竣工 :1936年(昭和11年)
所在地:東京都千代田区神田駿河台1-1
設計 :ヴォーリズ建築事務所
施工 :清水組
構造 :地上7階、地下1階、鉄筋コンクリート

(店舗データ)
●天ぷらと和食 山の上 
住所   :東京都千代田区神田駿河台1-1 山の上ホテル本館 1F
営業時間: 朝 食 / AM7:00~AM10:30(LO)
       ラ ン チ / AM11:00~PM3:00(LO)
       ディナー/ 平 日 / PM5:00~PM9:00(LO) 、土・日・祝 / PM3:00~PM9:00(LO)
定休日  :無休
電話番号 :03-3293-2831
サービス料:10%

近代建築度:★★
知名度   :★★★★
料理     :★★★☆

(参考文献)
都市の記憶〈2〉日本の駅舎とクラシックホテル都市の記憶〈2〉日本の駅舎とクラシックホテル
(2005/05)
鈴木 博之小沢 英明

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