赤プリの解体に伴い、旧館として使用されていた旧李王家東京邸もレストラン営業が3月末に終わりました。その後、6月9日に東京都指定有形文化財に指定され、現在再整備中とのことです。

旧李王家東京邸 全体


旧李王家東京邸 外2そんな中、何故か1日だけ、しかも13:00-16:00という短い時間で見学会が行われました(予約もいらない自由見学)。
こちらの建物へは年末年始に十分見学できたから、もういいか?と思いましたが、いやいや、見られなかった個室も見られるぞよ、と思い直し行ってきました。
赤坂見附駅からだと過去2度ともホテルの新館の中から行っていたので、その道のりが全部封鎖されていて、ぐるりと回りこんで到着(それだけですごい汗・・・)。

旧李王家東京邸 外1

●建物の由来(当日頂いたプリントより引用)
この建物は 明治43年(1910)日本の皇族となった朝鮮王朝・李王家の東京本邸として建てられた建物です。 ここに生活していたのは、最後の皇帝、純宗の皇太子 李垠(り・ぎん/イ・ウン)(1897-1970)殿下と妻である梨本宮方子(なしもとのみやまさこ)妃のご家族です。 当時、皇太子の住まいを一手に引き受けていた宮内省内匠寮により設計され 清水組(現・清水建設)によって施工されました。竣工は昭和5年(1930)です。

戦後、西武鉄道に売却され 昭和30年(1955)、客室35室で赤坂プリンスホテルとして 開業しました。昭和58年(1983)、新館の誕生以降は 宿泊施設の役目を終え 主に婚礼施設やバー・レストランを中心として利用されてきました。
平成23年(2011)東京都の有形文化財(建造物)として指定されました。

旧李王家東京邸 1階大客室 旧李王家東京邸 1階撞球室
         (1階大客室)                   (1階撞球室) 

中へ入ると・・・おお!ものの見事に家具や室内器具が取り払われています。そういえば、日経新聞にテンポスバスターズ(中古厨房機器等の販売会社)が内装品を買い取ってほかのホテルに売るというような記事が出てましたっけ。私も李王家関係のものなら買いたかったな・・・などとチラッと思いましたが、やっぱりそんな由緒ただしき物は払い下げてないでしょうね(逆にそれは問題ありっていうか)。

旧李王家東京邸 大食堂
(1階大食堂) 3月までは結婚式場のチャペル仕様になっていました。
今はがらんどうのおかげでその時は見えなかったものが見えます。

旧李王家東京邸 キャビネット(2階ホール)
レストラン営業の時にあった白いロココっぽいキャビンは残っていました。これはかつて李王家時代に1階広間で使われていたものだそう。これが横浜家具なのかとか製造元についてはまだ詳しくは分かっていないようで、これからこの再整備中に調べるのでしょうか。

なお、2階のホールはもとは御居間・次の間・御化粧室・御浴室の4部屋に分かれた李王家族のプライベート空間だったようです。
ホテルとなった後は和室の宴会場として使用され、その後はこの4部屋をレストラン用にぶち抜いてホールの大きさにしたようです。修復後、この辺はどうなるのでしょう。



旧李王家東京邸 2階御居間 旧李王家東京邸 2階予備御寝室
        (2階予備御居間)                 (2階予備御寝室)
竣工時は、居間と寝室をセットで計画されていたらしく、廊下を通らずに、「居間⇔寝室⇔浴室」と行き来ができるようになっていました。


旧李王家東京邸 2階ヴェランダ

(2階寝室前サンルーム ※頂いた平面図ではベランダ)
今では紫外線が気になって(特に女の人は)日光浴ってあまりしないと思うのですが(ヨーロッパの人は今でも男女問わず大好きですが・・・)、熱海の起雲閣で聞いたガイドのように、ひところでは日光浴は健康に良いとされていました。それで皇室の邸宅にはサンルームが積極的に設けられてたそうで、こちらにも夫妻の書斎と寝室隣の天窓のあるサンルームが2室。そういえば旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)にもサンルームがありましたっけ。


旧李王家東京邸 2階御寝室

(2階御寝室)
李王夫婦の寝室。壁には造り付け棚と半円アーチの大きな鏡があります。この鏡からホテル営業時には「鏡の間」と呼ばれていたそうです。なお、棚中央の時計も竣工当時のもので、他にも主要な各室に配置され、時刻あわせは建物全体で一括管理されていたとか。
緑の壁紙の模様は遠目だとエジプト?と思いましたが、よくよく見ると中世ヨーロッパの王と騎士と思われるデザインでした。

なお、今後は、来月から内装撤去を始め、2012年5月ごろから解体作業を本格化。
夏から4~5年をかけてほぼ同じ位置に移築再整備の予定らしいです。
持ち主の西武グループは地域のランドマークにしたいようなので、まずは一安心。

旧李王家東京邸 車寄せライト(関連記事)
●仏蘭西料理トリアノン(李王家東京邸)その1
●仏蘭西料理トリアノン(李王家東京邸)その2
●仏蘭西料理トリアノン(李王家東京邸)その3


(建築データ)
竣工 :1930年(昭和5年)
所在地:東京都千代田区紀尾井町1-2
設計 :宮内省匠寮
施工 :清水組
構造 :鉄筋コンクリート造(木造小屋組)スレート葺、地上2階塔屋付、地下1階 
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