蔵の町・栃木へ散策へ行ってきました。東京からだと東武線(浅草発)が便利です。
お昼過ぎ、栃木駅へ到着すると改札前に臨時の観光案内ブースが出来ており、市の観光課の方(?)がいろいろ教えてくれました。大まかな地図なども一通り揃っていたので、それさえもらえれば、行き当たりばったりでもなんとかなりそうです。
ところで、平成13年まであった旧栃木駅舎(昭和3年建造)は今は栃木市野中町というところに移築され、スーパーカーミュージアムに併設されているそうです。

ではそろそろ観光出発。
蔵の町は駅から少し離れているため、市営循環バス「のらっせ号」を利用しました。土日祝日は30分おきに出ており料金は100円。1日乗車券は車内で販売していて200円です(特典あり。HPに出てなかったので車内の説明書を画像UP。クリックすると大きな画像になります)。

のらっせ号 のらっせ号 1日乗車券

運転手さんは親切で何を見たいのか言えば、下りるバス停を教えてくれました。
私たちは「ALLWAYSカマヤ」でまず腹ごしらえをしようということになり、「福田屋前」でおりましたが、町を一通りみたい方は一番遠い「油伝味噌」で降りると効率が良いでしょう。

●万町交番前と折衷建物
万町交番前 折衷建物

「ALWAYSカマヤ」のランチは別にご紹介するとして、食事後まず、カマヤのある大きな通りを北上し万町交番前へ。この交番、蔵の町だけあって、蔵の形をしています。。。暖簾かかってるし(笑)。交番の向かいに詳細不明の建築。以前は「ほっかほか大将」というお弁当屋さんでした。
さっきのカマヤ側の角には「櫻井肥料店」という和風の建物があり、曲がると隙間(?)にレンガ塀。
その向かいの方向、2又に分かれた左側に道沿い(旧例幣使街道)に有形文化財に指定されている館野家住宅があります。

●舘野家住宅店舗
舘野家住宅 全体
例幣使街道というのはウィキペディアによると、「徳川家康の没後、東照宮に幣帛を奉献するための勅使(日光例幣使)が通った道」だそう。
さっきの櫻井も肥料店だったけど、こちらも肥料、そして履物を扱う商家だったみたいです。
つい看板建築の延長のように思って見ましたが、入れ込み型(?)の玄関やベランダが珍しいです。
平面っぽいのに立体的というか、立体っぽいんだけど平面的というか。
あと、窓は右に2つ、左に3つと何気に左右対称を崩してます。正面右にだけ装飾あるしね。
舘野家住宅 2階 舘野家住宅 意匠

舘野家住宅 側面側面にはラーメンのどんぶりにあるような渦巻き模様もあり。

(建築データ)
竣工 :1932年(昭和7年)
所在地:栃木市泉町
構造 :木造2階建て、寄棟、金属板葺き
備考 :国登録有形文化財


●栃木病院 
栃木病院 全体

栃木病院 1階 栃木病院 メダリオン

舘野家のほど近くにあります。緑色の建物は目立つので見えるまま近づいていきましたが、ぐるりと一周するのを忘れ、1面しか見ませんでした。しまった・・・。なんか看板も出てたし、出入り口があったので、それを見て満足してしまった。

1階は下見張り、2階はハーフティンバーになっていますが、このハーフティンバーが秀麗で、ミュシャのポスターの枠みたい。なお現役の病院のようです。こんな病院が近所にあったら病気でなくても行くのですが・・・。

ここから栃木高校へ向かう途中、石造りの蔵がありました。たぶん、県産の大谷石造りではないかと思います。
石造りの蔵

栃木病院 側面(建築データ)
竣工 :1913年(大正2年)
所在地:栃木市万町13-13
設計 :横浜方面の建築家または栃木高校講堂の設計者
構造 :木造2階建て
備考 :平成10年 国登録有形文化財



●栃木高等学校 記念図書館 (養正寮)
養正寮 正面
高校の正門すぐ右に建っています。
大正に入ってからの建物の割りに擬似洋風みたいな外観。脇の説明書によりますと、明治43年に東宮殿下(後の大正天皇)の来校を記念して建てられました。
養正寮 側面・・・って、5年近く経ってから記念に建てるって随分のんびりしてますなあ。。。

当時1階は図書室、2階は同窓会の集会所として使用ましたが、昭和10年に2階の和室は「養正寮」と名付けられ生徒の精神修養のための校長訓話や漢籍素読会などが行われました。平成7年現在では2階の和室は茶道部なんかが使っており、1階は自習室に。
さっきの病院同様、こんな自習室があったら、私も高校生の時もっと勉強したのだが・・・。

(建築データ)
竣工 :1914年(大正3年)
所在地:栃木市入舟町12-4
構造 :木造2階建て
備考 :平成10年 国登録有形文化財

●栃木高等学校 講堂(旧栃木県立栃木中学校講堂)
栃木高等学校 講堂
講堂は高校の正門入って少し左にいったところにあります。
窓枠、半円アーチの外に凝ったデザインがあしらってあります。ファサードはなぜか看板建築のように平面的。
栃木高等学校 講堂 意匠栃木高等学校のHP→学校案内→施設案内→講堂で内部の様子が分かります。「蔵の町音楽祭」などにも利用されているようなので、そういう時なら中も見られそうですね。

(建築データ)
竣工 :1910年(明治43年)
所在地:栃木市入舟町12-4
構造 :木造平屋
備考 :平成10年 国登録有形文化財

●栃木高等学校 記念館(旧県尋常立中学校栃木分校本館)
記念館は構内の奥まったところにあるみたいで、さすがに部外者が踏み込んでゆく訳にも行かず、グラウンドの外から遠巻きで辛うじて1枚写真を撮りました。
校内で一番古い建物で建設当時は階上講堂、一階は校長室、事務室、宿直室などに使用され、現在は小会議室や資料展示室となっています。

明治32年の近衛師団北関東大演習の時は改造されて明治天皇の行在所に、大正7年の七日間陸軍大演習の時には大正天皇の行在所として
栃木高等学校 記念館使用されました。
このため、第二次世界大戦が終わるまで「御聖蹟(意味:1.天子が行幸した地や帝都の旧跡。 2.聖人の事跡)」として文部省史跡になっていました。

(建築データ)
竣工 :1896年(明治29年)
所在地:栃木市入舟町12-4
構造 :木造2階建て
備考 :平成12年 国登録有形文化財

●栃木市役所別館(旧栃木町役場庁舎)
栃木市役所別館 正面

栃木市役所別館 時計栃木市役所別館 2階栃木市役所別館 入口栃木市役所別館 車寄せ

メロンソーダをバニラアイスで溶かしたような色の外観は先ほどの栃木病院にちょっと似ています。
ちょうど1階・下見張り、2階・ハーフティンバーだし(というか、あちらが似せたのか?)。
かなり大きな建物で、見る角度によって全く表情を変えます。コーナー部分もいい感じでしたが、木が大きく育ちすぎてしまってよく見えません(^_^;

(建築データ)
竣工 :1921年(大正10年)
所在地:栃木市入舟町7-31
設計 :堀井寅吉
構造 :木造2階建て、瓦葺きの
備考 :平成10年 国登録有形文化財

●旧岡安歯科医院
栃木市役所別館の正面の通りにあるアールデコやモダニズムっぽい建物。昭和初期のもののようです。
地味ですが、玄関の角のカーブがきいています。
旧岡安歯科医院 全体 旧岡安歯科医院 入口

●横山郷土館(横山家住宅・旧栃木共立銀行)
横山郷土館 全体
左右に蔵があるこの建物は、「両袖切妻造り」と言い、日本の商屋では唯一であるそう。確かにあまり見ない形です。建物が蔵に挟まれてちょっと圧迫感を感じました。

なお、右半分が麻苧(あさお:麻の繊維を原料として作った糸)問屋、左半分が栃木共立銀行(明治32年設立、昭和13年廃業)としてつくられました。現在は郷土館になっていて、銀行であったころの様子が再現されています。
栃木共立銀行 横山郷土館 庭
なお、こちら入館料が500円かかりますが、中がお食事処になっていて、そこを利用すると入館料は無料になるそうです。味は分かりませんが、釜飯、オムライス、うどんなどあり。日本庭園を眺めながらの食事となるので、景観はよろしいです。あんみつなんかだと730円とあったので、これならここで休憩がてら見学するとコストパフォーマンスは良いですね。

横山郷土館離れ・洋館

横山郷土館離れ・洋館 室内中の庭園へ進むと、奥に離れの洋館があります。画像ですと結構大きく見えますが、見た時の第一印象は「ちっこい!!」でした。建物は8畳一間に廊下、奥に3畳?だけで実際小さいです。ちょうど茶室くらいかな? 
外装と内部の壁・天井は洋風で後は床の間に畳。和と洋の折衷建築は多いですが、中が和風の場合、天井も和風になることが多い中、立派なメダリオン(天井飾り)がついた天井は一種、異様と言ってもいいほど。メダリオンは立体的で香炉のフタみたい。

このあと近所の大正時代の洋館、 「カフェ15」でお茶をしましたが、それも別コーナーでご紹介したいと思います。




横山郷土館離れ・洋館 メダリオン(横山郷土館離れ・洋館 建築データ) 竣工 :1918年(大正7年)
所在地:栃木市入舟町2-16
備考 :平成10年 国登録有形文化財

(見学データ)
開館時間:10:00-16:00
入館料 :大人500円、小人300円
休館日 :火・水曜(臨時休館あり)
備考  :バス・のらっせ号の1日乗車券で100円引きの特典あり


●下都賀酒造協同組合事務所(旧栃木県酒造組合栃木支部) 
下都賀酒造協同組合事務所 全体

下都賀酒造協同組合事務所 車寄せ 下都賀酒造協同組合事務所 2階

下都賀酒造協同組合事務所 門観光地から少し離れた栃木税務署の向かいにある建物。
一見、石造ですが、木骨です。大谷石は加工しやすい反面、石質が柔らかいせいか、かなり庇などが削れていまっています。特に門の部分はひどく、これは長年の、というよりは3月の大地震の影響かもしれません。
玄関ポーチは大谷石ではなく洗出し。柱はかなりシンプルなデザインです。
かなり長い縦長窓なので上げ下げ窓だったかもと思いましたが、2階部分など残っている木枠を見る限りそうでもなさそうです。

(建築データ)
竣工 :1929年(昭和4年)
所在地:栃木市万町25-16
構造 :木骨石造2階建、瓦葺
                                  備考 :平成16年 国登録有形文化財

●好古壱番館(旧安達呉服店)
好古壱番館 正面

好古壱番館 2階再びメインストリートに戻ってきました。かつての呉服店は今は小江戸そばのお店になっていて、本当はここで栃木名物のじゃがいも入りやきそばを食べようと目論んでおりましたが・・・なんと臨時休業。・・・残念です。

あんまり呉服店っぽくない商店建築で、2階部分がかなりセットバックしています。
屋根の中央になんだかとってひっつけたような

好古壱番館 全体ステンドグラスがはめ込まれていますがあれはオリジナルなのでしょうか。。

(建築データ)
竣工 :1922年(大正11年)
所在地:栃木市万町4-2
設計 :熊倉充義
施工 :村上工務店
構造 :木造2階建、鉄板葺
備考 :平成12年 国登録有形文化財



●旧関根屋店舗
旧関根屋店舗 全体
好古壱番館から栃木駅方面へ歩くとすぐの場所。
以前は「GALLERYみうら」だったようですが、訪れた時は空き店舗となっていました。
目を引くのは建物の屋上のパラペット(手すり壁)。幾何学的なデザインで正面だけでなく側面にも同様になっています。
旧関根屋店舗 2階旧関根屋店舗 室内

旧関根屋店舗 カーヴ旧関根屋店舗 正面
入口部分はよーく見ると扁平のカーブを描いています。

(建築データ)
竣工 :1922年(大正11年)
所在地:栃木市倭町11-4
構造 :木造2階建、瓦葺き
備考 :平成12年 国登録有形文化財

●その他
メインストリートから巴波川(うずまがわ)へかけてのほかの建物
ユー・アンド・アイ 栃木県主食卸株式会社
ユー・アンド・アイ                      栃木県主食卸株式会社(←スゴイ名前・・・)

巴波川近く1 巴波川近く2
メインストリートから巴波川船着場へ向かう途中の建物群

(今日のおまけ)
オクトーバーフェスト訪れた日はちょうど、うずま公園でオクトーバーフェストが開催させていました。
オクトーバーフェストというのは、もともとはドイツ・ミュンヘンで9月下旬~10月上旬に開催される世界最大規模のビール祭りのことです。
私が初めてミュンヘンに行ったとき、ちょうどこのお祭りが開催されており、エライでっかい仮設テントで、バカでっかいジョッキで黒ビールを飲んだ記憶があります(おいしかったけど、お酒は弱いのでとても飲みきれなかった)。
その頃はまだ日本でも開催されるほど知名度はなかったのですが、年々各地でフェスタが増えている気がします。
フェスタによってはニュールンベルガー(ニュールンベルグの香辛料の利いた名物ウィンナー)を出しているお店もあるので、ビールよりもそちらがお目当てで寄ってみたのですが、うずま公園ではフランクフルトなど、ほかのドイツウィンナーしかありませんでした。ざんねん。
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://kindaikenchikurest.blog14.fc2.com/tb.php/124-8ba74268