もう先月のことですが、馬車道周辺の歴史的建造物を一般公開する「OPEN! HERITAGE in 馬車道」に行ってきました。

●旧富士銀行横浜支店(現 東京藝術大学横浜キャンパス)
旧富士銀行横浜支店 正面

旧富士銀行横浜支店 入口 旧富士銀行横浜支店 扉
旧富士銀行横浜支店 階段 旧富士銀行横浜支店 回廊
旧富士銀行横浜支店 室内 旧富士銀行横浜支店 金庫
旧富士銀行の前身は安田善次郎が興した安田銀行。財閥解体により富士銀に名前を変え、今はみずほグループになっています。みずほに再編成されるにあたってこちらと伊勢佐木町支店が統合されたのを機に、横浜市が買い取りました。一時期はコンサート会場やBank Art1929の活動拠点として一般の人も出入りできましたが、今は芸大の校舎として使われていて、中においそれとは入れない?
この日は内部公開だけでなく、午前中「歴史を生かしたまちづくりセミナー」の講演がありました(増田&堀氏の対談がおもしろかった)。中は2階に回廊のある典型的な銀行建築。安田銀行の中でも最大規模の建物だったそうですが、中の立派な柱を見ても、重要な支店だったことが分かります。

(建築データ)
竣工 :1929年(昭和4年)
所在地:横浜市中区本町4-45
設計 :安田銀行営繕課
施工 :大倉土木
構造 :鉄筋コンクリート建2階
備考 :2003年(平成15年) 横浜市認定歴史的建造物


●旧東京海上火災保険ビル(現 馬車道大津ビル)
馬車道大津ビル 全体かなりシンプルなビルですが、横浜市認定歴史的建造物としては、上記の旧富士銀行横浜支店よりも3年早い2000年に認定されています。
外観、上の方をよく見ると、アールデコのタイル模様。1階玄関のドイツ製の照明もおしゃれです。
この日は3、4階の建築事務所内も見学することが出来ました。この時に伺った話によると、このビルに建築事務所が入ったことで、他の建築事務所も集まってきて活動の発信地になっていったということでした。
窓からは旧横浜正金銀行が見え、好きな人にはこの上ない職場かと。

(建築データ)
竣工 :1936年(昭和11年)
所在地:横浜市中区南仲通4-43
施工 :大林組
構造 :鉄筋コンクリート建4階、地下1階
備考 :2000年(平成12年) 横浜市認定歴史的建造物

馬車道大津ビル 上 馬車道大津ビル 照明


●旧横浜生糸検査所附属倉庫事務所(現 北仲BRICK)
北仲BRICK 全体

北仲BRICK レンガここはかつて、輸出される製糸を一括管理するための倉庫の運営事務所でした。戦後はGHQに接収されましたが、その後再び事務所として使われ、現在は1階は横浜アーバンラボ、2階は北仲スクールが利用。
入口に2本の柱があること以外はこちらもかなりシンプルな造り。

この建物の裏で発掘された赤レンガ300個(?)をプレゼントするという企画があった時には
北仲BRICK 入口1000人以上の応募があったとか。実際に当選したらそのレンガ、どうするのかしら、飾るにはちょっと微妙だし・・・なんて感想を案内の人に漏らしたら、事務所として使われていた頃に働いていた思い出のある人もいまだ多く、そういう人々(あるいはその家族)の応募も多かったようです。そんな人々なら単に昔のレンガとしてでなく、思い出の一品として大切にされるのでしょうね(上の画像、ダンボールに入ってるのが当時のレンガ)。

(建築データ)
竣工 :1926年(大正15年)
所在地:横浜市中区北仲通5-57-2
設計 :遠藤於菟(おと)
施工 :大林組
構造 :鉄筋コンクリート建3階
備考 :2007年(平成19年) 横浜市認定歴史的建造物


●旧横浜正金銀行本店本館(現 県立博物館)
横浜正金銀行 全体

横浜正金銀行 ペディメント
今回の目玉はココ。普段見られない地下とドームの見学です。建物自体のお話はまた別の機会に譲り、早速地下からご案内。
ここは現在博物館の資料が保管されていて撮影はしませんでしたが、戦災においても火がまわらなかったため、創建当時の面影が残っています。金庫が3つあり、「竹内製造」とある金のレリーフがついています。竹内金庫店は明治期創業の草分け店でトレードマークは京都の八坂神社と同じ3本足の八咫烏(やたがらす)。ハンドルのしたには第4回内国博覧会でしんぽ?二等賞を取った事が分かる文字が刻まれています(ただ、この二等賞はそんなに格は高くないそう)。第5回内国博覧会ではもっと良い賞を取ったようで、つまり、この金庫を作ったのは第4回と第5回の間ということになり、さらに建物の創建当時からあったということも分かります。
当時は貸金庫として使われ、本格的な貸金庫としては日本で最初のものと言われています。この裏に銀行の本金庫があり、そちらはイギリス製。より重要なものは外国製だったということでしょうか。

横浜正金銀行 ドーム全体

横浜正金銀行 ドーム内
ドームのオリジナルは戦災で焼け落ち、今あるものは昭和42年、博物館となる際に復元されました。
ドームは尖端まで含めると19mほど。通りから見てもかなりでっかいですが、近くで見るとまた立派(建物自体が17mなので、どんだけでかいか!)。
ものすごい存在感ですが、創建当時からただの飾りだったようで、内部の骨組みのみの簡素な造り。飾りなので、外から見える塔屋に入るための階段なんかも、もちろんありません。



横浜正金銀行 丸窓 横浜正金銀行 ドルフィン
ドームは八角形で各辺に窓飾りと角にはドルフィンをモチーフとした想像上の生き物(ほとんど魚)ではないかと考えられています。

(建築データ)
竣工 :1904年(明治37年)
所在地:横浜市中区南仲通5-60
設計 :妻木頼黄
施工 :現場監督・遠藤於菟(おと)
構造 :石造建3階・地下1階・正面中央八角塔屋付
備考 :1969年(昭和44年) 国重要文化財


日本初期のガス灯(今日のおまけ)
馬車道通りには日本初期のガス灯(復元)があります。
脇の銅板の説明書によると、ガス灯は、明治5年(1872年)に、高島嘉右衛門の「日本ガス社中」により、馬車道・本町通り等に設置、点灯され、これが日本における最初のガス灯となりました。柱部は英国グラスゴー市から輸入し、灯具は日本職人により製造されたと言われます。
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