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なんか・・・既に1ヶ月以上経ってしまいましたが、お正月元旦のレポートです。

●南禅寺・水路閣
瓢亭で食事を済ませた後、初詣を兼ねて近隣散策。
本来なら瓢亭お向かいの無鄰菴へ行きたいところでしたが、年末年始はお休みのため、まず南禅寺の水路閣へ。
水路閣 その1

水路閣は琵琶湖疏水の一部です。琵琶湖疏水というのは、琵琶湖の湖水を、京都市へ引き入れるために作られた水路(疏水)で、明治18年に起工されました。
その用途は水道用水、工業用水、水力発電、灌漑、などなど。
当時の京都の状況について考えると、明治政府ができたことにより、都が京都から東京へ移り、このままでは京都は衰退してしまう!という危機感があったと思われ、その打開策として、疎水事業を行ったようです。おかげで京都はいち早く近代化に成功し、廃れずにすみました。
水路閣 その2 水路閣 その3
全長92メートルの水道橋              階段をあがると見られる水路

水路閣というと、テレビドラマの 『京都☆●△殺人事件!!』 みたいな2時間サスペンスでよく出てくる定番のロケ地として有名(?)です。よく出てくるのは、その異国情緒が絵的に見栄えするからなのだと思うし、私自身も好きなスポットの一つなのですが、京都に来る直前に買った『京都洋館ウォッチング』の中では、この水路閣は「小さくみみっちい」「南禅寺のなかへこれをもちこむ蛮勇」「境内の雰囲気は、あからさまにふみにじられた」・・・と、踏んだり蹴ったりな酷評です(^_^;
著者の井上章一氏によると、水路閣ができた背景として南禅寺の事情を語っています。江戸時代、勢力を誇ったものの、明治新政府に疎まれ、多くの寺領を差し出すに至った南禅寺は、その弱い立場を乗り切るために、水路閣を寺の境内へ通すのを許したのではないか?と推測。で、現代の見学者にこんな無茶にも絶えねばならなかった南禅寺のツラい時代に思いを馳せるよう薦めてます(笑)。
それはちょっと難しい気がしますが、まあ、そんな事情があった(かもしれない)と思うと、また見方が変わるかもしれません。
特に私なんかは、「京都の人は新しもの好きだったから、寺の境内に水道橋を引き入れる先進性があったんだろう」としか思ってなかったです。

水路閣 その6 水路閣 その7
ちなみに紅葉の時期のこの周辺おすすめのお寺は天授庵。その次が水路閣の上にある南禅院。南禅寺方丈と金地院は紅葉を楽しむという点ではイマイチ。

水路閣 その5(建築データ)
竣工  :
1890年
(明治23年)

所在地:
京都市左京区南禅寺福地町

設計  :田辺朔郎







●京都府立図書館
もと来た道を戻って(途中、寄り道をして八つ橋シュークリームを買った)、平安神宮へ向かいます。こちらの参道も、右を向いても左を向いても何気に近代建築満載。
まず右には帝冠様式の京都市美術館。これは以前、 →過去に書いたので省いて、反対側に建っている図書館を見ます。こちらの旧館の設計者は京都建築界の重鎮・武田五一。

京都府立図書館 その1京都府立図書館 その2京都府立図書館 その3京都府立図書館 その4

残念なことに、平成7年の阪神淡路大震災によって甚大な被害を受けたことや、もともとの老朽化によって建て替えと相成った次第。現在は正面外壁のみ保存されています。
ヨーロッパに留学していた五一はいち早くアール・ヌーボーを取り入れた建築家で、外観は従来の歴史様式を基本としつつも、かなりシンプルにまとめました。現在も使われているかは不明ですが、中の家具は、はっきりとアール・ヌーボー調だったようです。

京都府立図書館 その5(建築データ)
竣工  :
1909年
(明治42年)

所在地:
京都市左京区岡崎円勝寺町9

設計  :武田五一

施工  :直営

構造  :
レンガ造
3階建て(当時)

●平安神宮
こちらの歴史も微妙に上記の琵琶湖疏水に関わっています。都でなくなった衰退を免れ、疎水の完成によって弾みをつけた京都市が次に仕掛けたのが、この平安神宮。
と言っても、なんと、平安神宮は当初、神社ではなく遷都千百年紀年祭の施設、ひらたく言えばパビリオンとして造られたものだったんですね。あら、ビックリ。
さらに京都市は同時に第四回内国勧業博覧会を誘致し、歴史ある京都を大々的にアピール。なんかこうやって書いていると、当時の京都市のお役人って優秀に思えてきます。

平安神宮 慶天門 平安神宮 蒼龍楼
慶天門 他の建物もほとんど重要文化財    東にある蒼龍楼。西には白虎楼

単なる遷都千百年紀年殿ではなく、神社としての創立許可がおりたのが、模造大極殿(だいごくでん)の建設中。おかげで設計にあたっていた宮内省技師・木子清敬と、当時まだ帝大の大学院生だった伊東忠太は幾度となく計画を変更しなければならなくて大変だったようです。ただそれは、敷地制限や金銭面ということ以上に、平安期の建築を再現しようとしているのに、その肝心の建築が実際どんなものだったか良く分からないという点にあったようです。で、結局、考証が乏しい部分については、平城京の朝集殿の移築と伝えられる、唐招堤寺の講堂を参考に設計したそうです。
「でも、それじゃ平安京でなく平城京になっちゃうじゃん!!」・・・という突っ込みはいれず、大人しく初詣を済ませ帰りました。

平安神宮 大極殿←モンダイの大極殿

(建築データ)
竣工 :1895年
(明治28年)

所在地:
京都市左京区岡崎西天王町97

設計  :木子清敬・伊東忠太

構造 :木造平屋建

(参考文献)   
京都洋館ウォッチング (とんぼの本)京都洋館ウォッチング (とんぼの本)
(2011/11)
井上 章一

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建築MAP京都建築MAP京都
(1998/01/10)
ギャラリー・間

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(今日のおまけ)   ●瓢亭別館  
親が前年のお正月に瓢亭へ行ったら、「お正月っぽいものが一通り食べられて、ま~楽だったわよ。もう自分で準備しなくていいくらい」と言うので、行ってみました。
以前別館を訪れた時は長机に正座だったような気もしますが、しばらく来ないうちに全席テーブル&椅子にリニューアル。老舗だけど別館だからこういうことも許されるのでしょうかねえ。まあ、実際椅子のほうがありがたいですが。
そうそう、中のお庭には琵琶湖疏水から引いた水が流れています。

瓢亭 向付 瓢亭 松花堂弁当

写真は松花堂弁当。向付にしっかりおせちの大定番が出されるし、京都らしい白味噌に丸もちというお雑煮も食べられるし、瓢亭名物の半熟玉子はもちろんあるしで、確かにお手軽にお正月気分&老舗気分が楽しめました。しかも元旦から営業してるし。でも今度は朝がゆを食べてみたい・・・

住所  :京都市左京区南禅寺草川町35
定休日 :木曜日
TEL   :075-771-4116
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