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長楽館 正面

長楽館 玄関←お正月にはそれらしい飾り

ル・シェールについては以前、取り上げましたが(→こちら) 、建物などについては何も書かなかったので、ここで改めてご紹介を。
施主は明治のタバコ王・村井吉兵衛(1864-1926)。貧しい小商人の次男坊に生まれました。9歳で叔父の養子となり、タバコの行商を生業とし、町や村を一軒づつ回って売り歩くという地味な商売でしたが、吉兵衛が次のステップアップとして選んだのが、店を構えることではなく、タバコそのものの製造。
彼がアメリカ人宣教師・ベリー博士から紙巻きタバコの製造法を学び、明治24年、両切の紙巻きタバコを製造・販売したのが日本で初めてのことでした。

こちらの建物は明治42年竣工。タバコ事業はその5年前に日露戦争の戦費調達のため、製造が国営になり、その後の建物ということになりますが、政府に売却したことで莫大な資金で村井銀行を起こしたほか、京都瓦斯、帝国製糸、印刷業など手広く商売し、財閥を作り上げました(以前紹介した「きょうと和み館」は旧村井銀行 七条支店でした)。

そんな豊富な資金力を背景に作られたのがここ、長楽館であり、外観こそかなり地味ですが、中はルネサンス・バロック・ロココ・中国風・桃山風と、なんでもありというか、てんこ盛りの建物になっています。本当に外観と中のギャップがかなりのものですが、中の豪華さは、個人宅(ここは村井の別邸)としてはトップの部類。

この日は主人の誕生日のお祝いで来訪(でも東京でもまたお祝いしました。まあ、お祝いは口実でなんかうまいもんが食べたい♪というだけなのが実情・・・)。
よく考えると、ここに来ると、フレンチを食べに行くばかりで喫茶室に行ったことがなく、他の部屋の写真がなくて申し訳ないんですけど・・・。
今日はまず始めに、いつものウェイティングルームではなく応接室に通されました。暖炉がついてて温かいからかな? 現在保存されている洋館の暖炉の多くが塞がれている中、現役で薪をくべてあるマントルピースなんて、かなり貴重です。近寄るとかなりあったか~。
アクセサリーとしてだろうけど、暖炉の上にはしっかりふいごも置いてあったし、そう言えば、玄関脇にはたくさん薪が積んでありましたよ。管理が大変そう。。。
長楽館 応接室暖炉 長楽館 応接間
長楽館 薪 長楽館 ふいご

一番の奥にあるル・シェールにも暖炉はありますが、ここは残念ながらただのオブジェと化してします。。。
ル・シェール 全体

ル・シェール 暖炉

ル・シェール 天井 ル・シェール ステンドグラス

今回の大発見はここのオーダーがコンポジット式だと気付いたこと。文献以外で実物見たの初めてかも!・・・って、ここには何回か来てるのに初めて気付くというのもどうかと思いますが(^_^;
ル・シェール コンポジット

パラッツォ コンポジット↑画像左下にある、黒っぽいのがコンポジット式の柱頭。
コンポジット式というのは5種類あるオーダーの中で一番華麗なもので、コリント式のアカンサスの上にイオニア式の渦巻きがのっているもの。

こんな派手なものは、これだけ豪華な室内でなければ似合わないし、これだけ豪華だからこそ当然のコンポジット式とも言えましょう。


←コンポジット式の図解(水天宮のロイヤルパークホテルにある「パラッツォ」のウェイティングルームで発見)


お正月のランチ
ル・シェール アミューズ ル・シェール スープ
(アミューズ) 丹波の黒豆を赤ワインで炊いた  (スープ) レンコンと鴨肉のしんじょ、
          たもの、下は百合根のムース           ユリ根、コンソメスープ  

ル・シェール 魚料理 ル・シェール 肉料理
(魚料理) 中はふっくらと焼き上げた土佐の鯛( (肉料理) 北海道産和牛ステーキ エシャロットを 
海援鯛)の上にはパウダー状にしたからすみ。   みじん切りにして赤ワインで煮つめたものをバター
春菊を使ったソース。                   とあわせたものが上にのっています。
                                つけあわせには関西らしいくわい

ル・シェール デセール ル・シェール 小菓子
(デセール) 木苺のムースと杏アイス        (小菓子) マカロンと焼き菓子


長楽館 暖炉(建築データ)
竣工  :1909年(明治42年)
所在地:京都市東山区祇園町南側
設計  :J・M・ガーディナー
構造  :鉄骨石造一部レンガ造、地上3階、寄棟造
備考  :京都市指定文化財

(関連記事)
2010.07.24 ●長楽館 ル・シェーヌ 
2011.06.05 ●村井兄弟商会 芝工場門柱(東京渋谷 塩とたばこの博物館
2011.07.19 ●きょうと和み館 レストラン&カフェ ろまん 

(参考文献)
建築探偵・近代日本の洋館をさぐる (NHK人間大学)
(1998/10)
藤森 照信

商品詳細を見る

(今日のおまけ)
長楽館ちらし3月に春の特別公開企画として長楽館3階の普段非公開の和室「御成の間」が公開されるようです。
それに合わせて、「華道家 仮屋崎省吾の世界」が開催され、期間中は本人が常時滞在し、サイン会やトークショーが行われます。
なお、期間中にレストランを予約すると仮屋崎省吾展の招待券がついてきます。

●長楽館 非公開和室「御成の間」春の特別公開企画
期間 :2012年3月14日(水)~19日(月)
時間 :午前10時~午後8時(受付終了7時半)
入場料:当日1000円(前売り900円)
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