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身内の不幸や自分自身の体の変化などで、しばらくブログを休んでおりましたが、今年はお世話になった方々も多く失いました。

そんな一人に、とある会社の部長だった方がいました。その方は総会屋とも渡り合ったような、肝っ玉の太い人で(というか、自身がどこぞの親分みたいだった(笑))、体格も風格もよく、ボルドーに行くなら、こういう人に連れて行ってもらうのが一番だ!・・・と、ずうずうしくも連れていってもらったことがありました。

あれから数年たちますが、これまで自分が知り合った方の中で一番、ボルドーが似合う男性だったと思います。
まだ68歳という、早過ぎる人生の終わりに合掌。。。

ボルドー 正面

ボルドーは昭和2年、名古屋の資産家の息子であった奥田謙次が設計だけでなく、内装もすべて手がけたバーです。調度品は舶来品や日本の豪華客船で使われていたものを買いつけたようで、そのため、テーブルとイスが場所によって一つ一つデザインが違い、多様性が感じられます。

ボルドー ドアボルドー ドア脇

ボルドー 窓ボルドー 窓 (内側)
蔦が枯れる冬は、雪見窓としてお客が楽しんだ。

ボルドー 暖炉外は蔦が絡まり、どんな建物かピンときませんが、中はチューダー調です。
1階は石の暖炉があるので、山小屋っぽいような・・・。奥田氏は本当に自分の好きなようにこの店を造ったようですが、・・・・にしても暖炉の上にローマ法王の胸像とアラビア文字のプレートって、あまりにも脈絡なさすぎ(^_^;

こちらのお店の常連だったお客として必ずあげられるのが山本五十六と白洲次郎ですが、白洲次郎はこの暖炉の前の長イス(外国の修道院のもの)を好んだそう。

ボルドー 2階渡り廊下
2階渡り廊下

ボルドー 2階階段より2階階段より撮影

私たちは2階の、木ではなく古めかしい金色金属の円形でチェスの駒の模様のテーブルに通されたのですが、ママらしき人(?)が最初に現れ、少しして下がったあと、今度は年齢不詳のホステスさんが現れまして、しばし歓談しました。その方が「お邪魔ではありませんか」、と言うので「いえ、店のことをいろいろ聞きたいです」と答え、2杯目のお酒と彼女の分も頼みました・・・って、私は1円も払ってません・・・(今回ブログを書くに当たってちょっと検索してみたら、ホステスさんについてもらうとサービス料50%プラスってあったよ・・・!!)。
すると、テーブルにもう1脚椅子を引き寄せ、いよいよ本格的に話の輪に。
それまでも、バーと呼ばれる所には何回か行ったことがあったものの、クラブ的な所でホステスさんとお話するなんてことがなかったものですから、なんかすごくヘンな気がしましたよ。
なお、その方は、白洲次郎と直接会ったことがあるそうですが、それほど懇意でもなかったようで、「ああ、背の大きい人でしたねえ」、と言った程度のリアクションでした。

建物の薀蓄を聞きたかったのですが、他の話のほうが多かったですかねえ。例えば、お店には芸能人も来るけど、騒ぐからあまり歓迎してないんだとか(舘ひろしも来るけど、テレビで見ると目立つのに、店にいる時は全然目立たなくて普通のおじさんにしか見えないんだそう)。
同じ理由で女同士の客もお断りって言ってましたっけ。

ボルドー 山本五十六指定席
会員制のバーでなくなってからは、ネットで知った若いお客も結構来るけど、今の人は山本五十六も知らない、と、こぼしていました。
その山本五十六の指定席は、2階の奥、豪華客船で使われた八角形のテーブルだったようです。自分自身は下戸だけど、仲間に飲ませるのが好きだったそう。この部分は、天井がなんかちょっと折り上げ天井っぽいなと思いましたが、米山先生監修の「東京遺産vol.3」のDVDによると、「客船のキャビンを思わせる一角」とのこと。そのホステスさん曰く、その豪華客船というのは、日本郵船のことで、オーナーは岩崎家と仲が良かったとのこと。
まさかこんなところで岩崎邸がつながっているとは!、と、うれしくなり、「岩崎邸が近代建築の中で一番好きなんです」と言うと、「岩崎邸、普通の人が入れない所ご覧になりました?」と聞かれたので、見てないと答えると、(下にいるママにはナイショだけど)今度連れて行ってくれると言ってお店の名刺に携帯番号を書いて下さいました。初めて来てまだ1時間もたってないのにそんなに親切にしてもらっていいのかしらと思いつつ、『こんな機会は滅多にないわ!』という気もあり、「是非お願いします」とお答えしました。どうやら、あそこでボランティアをしている人と知り合いらしかったです(誰だろうな~)。
まあ、その時は舞い上がってしまいましたが、よく考えたら・・・やっぱりねえ。部長にはずうずうしく頼めても、一見さんの身分(しかも自腹切ってない)で岩崎邸の見学は頼めませんでしたわ(ご好意には感謝し、その時の名刺は今でも大切に持っています)。
でも、時は巡って、その後、私は別ルートで岩崎邸の非公開部分もしっかり見たのであった(笑)。

ボルドー 金平糖ランプ
こんぺいとうと呼ばれる明かり

2階のドアの奥は居住用になっており、訪れた当時、2代目がまだ住んでいると聞きました(内心、銀座の8丁目に住民票があるなんてすごい・・・とびっくりでした)。もう80過ぎで店には出てこないけど、今の3代目も70歳過ぎって言ってたような。それだと計算合わない・・・?

ボルドー トイレの扉(建築データ)
竣工 :1927年(昭和2年)
所在地:東京都中央区銀座8-10-7
設計 :奥田謙次
構造 :木造2階

(店舗データ)
●ボルドー(BORDEAUX) 
住所   :東京都中央区銀座8-10-7
営業時間 :18:00~23:00
定休日  :土日祝休
TEL     :03-3571-0381

近代建築度:★★★★
重厚感    :★★★★★
歴史度   :★★★★

(参考DVD)
東京遺産 第3巻 [DVD]東京遺産 第3巻 [DVD]
(2006/01/31)
不明

商品詳細を見る

誠 カウンター(今日のおまけ)
白洲次郎がよく行ったお店に日本橋の「誠」があります。路地裏の看板も出てないお店で、知る人ぞ知るステーキの名店。
扉はすごく立派ですが、中は洒落っ気のないカウンターのみ。
お値段は接待用のお店ですが、雰囲気はないので、本当にステーキを食べたい人向けかも・・・?

   白洲次郎は一番奥の席が指定席だったよう。
お隣にある「シンセリティ」は姉妹店。「誠」のカウンターで調理しているのをじーっと見ていると、惜しみなく肉片をポイポイ大きな袋に切り落としているのを目撃し、『おーっ。もったいなーーー』と思ってしまいましたが、こちらのお店でお昼のカレーライスに使われているようです。
シンセリティのカレーは700円から。個人的には、すごーくおいしいって感じではありませんでしたが、話のタネに一度行くのはいいかもしれません。夜のコースも誠に比べれば、ぐっとリーズナブルで、5000円くらいで食べられます。

●誠
住所   :東京都中央区日本橋本町1-4-5
TEL    :03-3241-7502
営業時間 :11:30~14:00、17:00~21:00
定休日  :日曜・祝日
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