まただいぶ時間があいてしまったのですが、先日、新聞の一面に川端康成の小説が再発見されたと出ていたのを見て、ブログを書かなければと思い出しました。
今回は東京ステーションホテル・リニューアル前の建物内をご紹介したいと思います。
東京駅 外観1

東京駅 外観2

もう数年前になりますか・・・。復原が決まってホテルもしばらく休業すると知って「じゃ、その前に泊まっておこう」と、予約しました。せっかくなので、川端康成が『女であること』を執筆した317号室を指定して。
・・・ま、物好きですから。

ホテルフロント
東京STホテル フロント1

東京STホテル フロント2

東京STホテル フロント3

廊下にもシャンデリア
東京STホテル 廊下

 ↓2階。昼寝出来そうな長椅子がある小フロア。窓からは丸ビルが見える。
東京STホテル フロア東京駅の開業は大正3年12月18日ですが、東京ステーションホテルのほうは、その年の12月1日にやっと客室工事が始まり(請け負いは清水建設)、オープンは翌年11月2日だそう。20年近く前までは、開業日は11月28日とされていましたが、これは「2日」を「28」と読み間違えたことが判明し、訂正されたそう。

内装デザインは広島原爆ドーム設計者でもあるヤン・レツルが手がけたようです。
数年前のフロントや廊下にはその名残が感じられましたが、途中いろんな改装があったので、どこにどれほどオリジナルが残っていたかは不明です。・・・どのみち、現在のホテル内は完全に別物となってしまいましたが。

東京STホテル 317号室 ドア私が泊まった317号室にしても、昭和58年にリニューアルされており、川端康成が泊まった時とは既に違っていました。リニューアル当時はハイカラだった(かもしれない)ユニットバスがついていて、印象としてはパッとしないビジネスホテルっぽかったですね。また、構造上、しょうがなかったんでしょうけど、部屋の中ほどに柱があって邪魔っけでしたね。これで窓から改札口が見えなきゃ、ホントにどうということもない部屋でしたわ(笑)。
←←←冴えない客室ドア

東京STホテル 317号室 室内しかも!、改札口の真上だけあって、うるさいこと、うるさいこと。終電が終わってやっと静かになったと思ったら、5時前?の始発のアナウンスでまた起こされ・・・。今は子育てで夜中、熟睡したことがないような生活ですが、当時の私は一度寝たらちょっとやそっとじゃ起きないような人間だったのにあまりのうるささに目が覚めてしまったものです(窓側で寝たのも良くなかった)。こんな部屋で川端康成はよくもまあ、執筆できたことよ・・・と当時えらく不思議に思ったのですが、今回の参考本「東京ステーションホテル物語」によると、いろんな部屋を移り歩いていたという話もあったようです。だよね。あのうるささにひと月もの執筆期間耐えられると思えません。
なお、現在のドーム側の部屋は最新設備なだけあって、とても静かで快適でした。
東京駅 ドーム1

ハトよけの剣山などがあり妙な生活観のある旧ドーム。こうやって見ると、現在はドームだけでなく改札口もすっきりしました。
東京駅 ドーム2東京STホテルから見たドーム

ただ、部屋の内装が変わっても、小説の登場人物が言う通り、見下ろす改札口は一日中賑やかに人が動いていて、眺めても眺めても見飽きることがないのは、今も昔も変わらない光景です。

(参考文献)
東京ステーションホテル物語 (集英社文庫)東京ステーションホテル物語 (集英社文庫)
(1999/08/20)
種村 直樹

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(今日のおまけ)
泊まるにあたっては、一応、『女であること』を読んでいきました。結構分厚い本のわりに、なにがどうなるという大仕掛けのストーリーでもなく、淡々と話が過ぎていって、最後はあれ?何の話だったっけかな?みたいな・・・。お目当てのステーションホテルは最初のほうでしか出てこなかったしねえ。
ともあれ、川端康成の小説は、文章そのものが美しくて良いです。
特に『雨傘』という掌編(『掌の小説』収録)は、しっとりとした叙情性だけでなく、何故かハッとするよう鮮烈さが感じられて好きです。
なんて書いてたら、気になって読み返していると・・・隣で主人のいびきがグーグー聞こえてきたよ。
おかげでリリカルな気分が舞い戻らなかった・・・。ううっ。
女であること (新潮文庫)女であること (新潮文庫)
(1961/04/18)
川端 康成

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