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安房南高等学校 全体
文化の日ということで昨日、千葉県立安房南高等学校旧第一校舎が一般公開されました。
もともとは安房高等女学校の本館として建てられたものらしいのですが、学校は平成20年に県立安房高等学校と統合されました。

安房南高等学校 写真
当日は千葉県教育庁文化財課職員による解説会もあり、せっかくなのでそれに合わせて見学してきました。
現在残る校舎は関東大震災後の再建です。
解説によると、用地決定が昭和5年3月、整地工事・6月、建設工事・12月とかなりの突貫工事だったそうです。建設費は当時のお金で64,800円。現在のお金で4億円。震災の教訓が生かし、田んぼという、地盤的にあまり良くない用地のため、基礎にはかなり松の杭を打ち込んだそうです。昔湿地帯だった東京駅や三菱1号館なんかも相当松が打ち込んでありましたっけ。ほか、木造校舎ではあるけれども、基礎部分は鉄筋コンクリートで高くしてあったり、通気孔や梁が多いです。

安房南高等学校 窓 安房南高等学校 扉
(玄関内部)はめ殺しの窓。窓の左右に巴崩しの模様。      (扉)校内の装飾は窓や柱に。

安房南高等学校 階段安房南高等学校 手摺り子
(階段)昭和56年に改修工事で中央に階段が作られたが、当初階段は東西にだけあった。親柱の頭頂部は宝形(ほうぎょう)。手摺り子には植物の葉の透かし彫り。直線的なアールデコでまとめられている校舎のなかで数少ない曲線となっている。

安房南高等学校 玄関
(玄関)シンプルな校舎の中で一番装飾的な部分。木造建築の中にあって、玄関扉上のダイヤ型のところは、石ではなく、洗い出し技法による人造石。その両脇にはスクラッチタイルが施されている(震災後の流行がこんなところにも反映されている)。なお、上部の高章は建設当初はなかったもの。

安房南高等学校 校舎側面 安房南高等学校 校舎裏面
(左:校舎側面)淡いピンクの壁色は当初からのものかは不明。ただ、残っている白黒の写真から判別すると、窓枠は別の色だったのではないかと思われる。
(右:校舎裏側)屋根は人工スレート。昭和57年に葺き替えられ、オリジナルではない。

安房南高等学校 廊下 安房南高等学校 旧生徒控所
(本館廊下)左右対称の建物で廊下がまっすぐ伸びている。    (旧生徒控所)現在は剣道場。

安房南高等学校講堂 正面 安房南高等学校講堂 内部
安房南高等学校 講堂写真
昭和6年には本館の真後ろに講堂、生徒控所が建てられたようですが、今はそれぞれ脇に移築されています。
講堂も校舎同様シンプルですが、垣間見た壇上はなかなか立派。アーチ部分の幅のある漆喰部分には装飾もあり、学士会館を思い出します。
なお、一連の建物の設計者は不明ですが、関東大震災後、公共建築の設計を行ったのが営繕技術者だったことから、これらの建物もお役所仕事だったのではないかという推測がたちます。ただし、千葉県庁が燃えてしまった時に記録もなくなってしまって証拠はないとのことでした。

ダッペエ(建築データ)
竣工:1930年(昭和5年)
所在地:千葉県館山市北条611
施工:大倉組(現在の大成建設)
構造:木造2階建て、瓦葺
備考:県・指定有形文化財(1995年)


(今日のおまけ)
いまや全国至る所にご当地キャラっていますが、館山にもやっぱりおりました。
館山市のマスコットキャラクター「ダッペエ」。
房総の方言「~だっぺ!」が名前の由来だそう。
校舎の玄関前で子ども達や卒業生らしきおばさま方と記念撮影してましたが、いわゆるキモかわ系で幼児が慄いてました。
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