●ホテルヴィブラントオタル(旧北海道拓殖銀行小樽支店)
手薄になっている宿泊編に手を伸ばそうと思いましたが・・・万平ホテルとか御花とかは大変なので(^_^;、先に軽めのこちらをご紹介。。。

ヴィブラントオタル 全体
北海道観光の折に小樽で利用したのが「ホテルヴィブラントオタル」。もとは北海道拓殖銀行の支店として大正12年に建てられたものです。昭和44年(1969年)に支店移転で閉鎖された後はホテルや美術館に転用され、平成18年(2006年)今の名称のホテルに落ち着きました。

ヴィブラントオタル 正面ホテルヴィブラント 持ち送り
入口左右の柱は、上の重みに耐えかねてこうなってしまったか、と思えるような太く短いものであるのに対し、中へ入るといかにも銀行建築らしい高い吹き抜けにジャイアントオーダーが6柱。
持ち送りのデザインなども素敵です。

ヴィブラントオタル 取っ手ヴィブラントオタル 窓
銀行だったころは1・2階が銀行だったほか、金庫室は1・2階に加え、地下1階にもありました。
当時は貸事務所を併設していたとのことで、多分3・4階部分がそうだったのでしょう。

ホテルヴィブラント 廊下ホテルヴィブラント 金庫
せっかく銀行だったところに泊まるんだから!と、金庫だった部屋をしっかり指定して泊まってみました(←そういうの大好き)。
どんな部屋か結構楽しみにしていたのですが・・・中は本当にフツーのビジネスホテルでした(笑)。
金庫なだけに窓はないし(その分、宿泊費は普通のツインよりちょっと安かったような)。
でも金庫だったころの扉がさすがの厚みだったし、無料で付いていた朝ごはんは気持ちのいい吹き抜けで食べられたのでこれはこれで満足でした。朝食の内容自体もヨモギ食パンやクロワッサンなど数種類とジャム・コーヒー・スープが食べ放題・飲み放題と、シンプルながらそれなりに充実。
ヴィブラントオタル 1階

近代建築ホテルに泊まろうとすると、普通かなりお金がかかりますが、ここはリーズナブルに近代建築気分を味わえる点で、ホテルニューカマクラと双璧をなすかも。ホテルニューカマクラもいずれご紹介を。

(建築データ)
竣工 :1923年(大正12年)
所在地:北海道小樽市色内1-3-1
設計 :矢橋賢吉、小林正紹、山本万太郎
施工 :伊藤組
構造 :鉄筋コンクリート造、地上4階、地下1階建
備考 :市歴史的建造物、小樽市都市景観賞受賞

●小樽グランドホテル・クラシック(旧越中屋ホテル)

小樽グランドホテル 全体

もしここがまだ営業してたら小樽にもう一泊したのになあ・・・と残念で仕方なかったのがこちらのホテル。
もともとは老舗旅館越中屋が地元建築家に作らせた外国人専用のホテルでした。昭和6年竣工のためか、ホテルとして営業していたのは最初の10年間だけで、戦時中は陸軍が使用し、戦後は米軍へ接収されてしまいました。その後オフィス利用されましたが一時は取り壊しの話も持ち上がったり。
地元の要望で修復され、1993年にやっと本来のホテルとして再稼動したものの、母体の小樽グランドホテルが経営不振で閉鎖されるのに合わせ、2009年2月16日閉館してしまいました。
外観を伺った時は閉館のはずなのに明かりがついていて、人が出入りしていましたが、今も営業再開の気配はないようです。

小樽グランドホテル ステンド 小樽グランドホテル 入口2
外観は一見地味でそれほど心惹かれるものはないのですが、遠目から見た限り、中は素敵そう。京都の長楽館が外観パッとしないのに反比例して中がすごいのに通じるのかも。

小樽グランドホテル 入口1
内部は英国調で、ステンドグラスなども設えてあるようです。このまま貴重な観光資源を眠らせておくのはもったいない。ここは一つ、星野リゾートあたりに再生をお願いしたいところです!

(建築データ)
竣工 :1931年(昭和6年)
所在地:北海道小樽市色内1-8-25
設計 :倉沢国治事務所
構造 :鉄筋コンクリート造、地上3階、地下1階建
備考 :市歴史的建造物、近代化産業遺産

●今日のおまけ
蟹工船・党生活者 (角川文庫)蟹工船・党生活者 (角川文庫)
(2008/08/25)
小林 多喜二

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ホテルヴィブラントで外せないのがプロレタリア文学として有名な「蟹工船」を書いた小林多喜二です。
ホテルはもともとは北海道拓殖銀行の小樽支店だったのですが、小樽高等商業学校(現小樽商科大学)卒業後、この銀行へ就職した多喜二が配属されたのが小樽支店でした。
プロレタリア文学とあの厳かな柱の銀行はイメージが対照的で、『小林多喜二ってこんな所で働いていたんだ』と、ちょっと意外でした。

何年か前、「蟹工船」が若者の間で流行っている、これは不況就職難の世相反映では、みたいな新聞記事を読んだ記憶がありますが、私は未だに読んでおりません。
「蟹工船」=「辛い労働者の話」というイメージでどうも読む気になれず・・・。正直なところ、この先も読まずに私は人生終えそうです。

(参考文献)
小樽たてもの散歩 小樽再生フォーラム 

洋館さんぽ EAST 目的でさがすガイドブック洋館さんぽ EAST 目的でさがすガイドブック
(2010/11/10)
㈱インク・インコーポレーション

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