旧新橋停車場

東京駅100周年にあわせて旧新橋停車場でも関連の企画展が催されています。
東京駅の完成によってそれまで東海道本線の起点だったこの地、新橋停車場がメインから外れ、貨物専門駅になったことを考えるとちょっと皮肉と言えなくもないですが、「東京駅開業と新橋」の紹介だけでなく、「汽車の旅」や「東京観光」といったテーマも扱っています。

紹介には構内の皇室用玄関広間についてカラーで紹介されていて、この点は現在開催中の鉄道博物館やステーションギャラリーよりも一番詳しかったように思います。
壁の絵の構成を黒田清輝が手がけたことを初めて知りました。絵のテーマは日本の「殖産産業」。
工場的な絵もあって、鉄道と関係ないような絵が何故ここに?と思いましたが、「殖産産業」がテーマだと知ると、日本が発展していっている過程を中央停車場に刻むという意思のようにも感じます。
戦災によって現存していないのが残念ですが、黒田清輝と言えば「湖畔」などで有名な明治-大正期の洋画家で、つい先日、ちょうど上野にある黒田記念館が2012年4月からの耐震工事を終えてリニューアルオープンしたばかり。黒田の遺言をもとに建てられた黒田記念館は、近代建築でもあるので是非絵画ともども見学してみたいところです。
【黒田記念館】 http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1703

東京駅の開業に際して、当時の東京日々新聞(大正3年12月18日分)には設計者・辰野金吾の談話も「設計の苦心」という見出しで載っていました。
普段はどちらかというと辰野金吾という「符号」として捉えている人が苦労したと新聞で語っている姿は、ああこの時代、確かに生きていた人なんだなと少し血の通った人物として感じることができました。
ちなみに新聞によると、明治36年12月に依頼を受け予算は当初42万円だったそう。

近代建築とは関係ありませんが、写真やパネルの展示が多いなか、「汽車の旅」のコーナーでは駅弁の友・お茶の容器として使われていた土瓶がずらりと展示されていたのが印象的でした。
駅名などが書かれた土瓶は地方それぞれ微妙に形が違います。飲み終わるとおかわり用に持ち運ぶ一方、窓から捨てることも多かったようで、発掘調査で多く出土したようです。
缶もペットボトルもない時代、土瓶が容器だったんですね。時代を感じる・・・と思い出したのは、10年近く前に行ったインド鉄道旅行。ホームだったか車内だったかで、素焼きの器でマサラティーを飲んだ後、現地の人を真似て、飲み終わった器は窓から投げて割ったような記憶が・・・。
大正時代の日本と10年前のインド、やってることが同じとは。

 ●「東京駅開業とその時代」展 
 会場  :旧新橋停車場 鉄道歴史展示室(港区東新橋1-5-3)
 会期  :2014年12月9日(火)~2015年3月22日(日)
 開館時間:10:00~17:00
 休館日 :月曜日、年末年始
 入館料 :無料







森屋コーヒー
(今日のおまけ)
帰りに京橋付近を歩いていたら、森屋コーヒーが閉店していてビックリ。
このブログで紹介するには詳しいことが分からず微妙な建物ですが、2階から上の外観は窓の間取りやスクラッチタイルなどから昭和初期の物件なのかなと思っていたものでした。
50余年続いた森屋コーヒーはこれを機に閉店されたようです。いろいろな種類のコーヒーとボルシチがあるのが印象的なお店でした。
ビルは幸い、耐震計画があるようなので、また1~2年したら訪れてみたいと思います。
所在地:東京都中央区京橋3-7
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