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暁斎展 チラシ

(コンドルの建物に、暁斎の絵)
6月27日から「画鬼・暁斎―KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」展が三菱一号館美術館で始まりました。
三菱一号館と言えば、ジョサイア・コンドルが設計した建築であり、コンドルと言えば暁斎の絵の弟子。暁斎展を開くならこれ以上はないという舞台ですし、弟子の建物で展覧会が催されることを暁斎もあの世で小気味よく思っているのではないでしょうか。

おもしろいことに、コンドルの建物に、暁斎の絵という組み合わせ、今回の展覧会だけではなかったようで、コンドルが設計した上野博物館(関東大震災で消失)で明治14年に開催された第二回内国勧業博覧会に暁斎は4点出品しています(うち、「枯木寒鴉図」で絵画では最高の「妙技二等賞牌」を受章)。
どうやらこの博覧会で暁斎の作品をみたことがコンドル弟子入りのきっかけだった模様。

暁斎展 猫
展覧会で唯一撮影可だったレプリカ。後期から展示。

三菱一号館 コンドル像
三菱一号館、一階チケット売り場隣に鎮座なさるコンドル先生。

(暁斎、リアルタイムでヨーロッパでも有名に)
午前中に展覧会を鑑賞した後、午後は日仏会館で「河鍋暁斎とジョサイア・コンドル―海外における評価と受容」という記念シンポジウムを聴講しました。

コンドルはイギリス人なのになんで日仏会館???とかなり疑問でしたが、実は、フランスが最初に暁斎をヨーロッパに紹介し、広めた国だそう。その例を3つほど。。。

・暁斎が明治9年、初めて会った外国人はフランス人の実業家エミール・ギメとお抱え画家フェリックス・レガメであり、のちに二人の名で出版された『日本散策』で、暁斎を高く評価。
・同じくフランス人のルイ・ゴンス著『日本美術』の最後の章には柴田是真と並び紹介。
・1909-1914年にはパリ装飾美術館の浮世絵大回顧展に暁斎の作品が出展。

日仏会館シンポジウム
「河竹黙阿弥『漂流奇譚西洋劇』パリス劇場表掛りの場」
暁斎は非常に意欲旺盛で、西洋絵画の技法や情報を取り入れていた。上の画像のパリオペラ座も遠近法で描かれている(最初は鹿鳴館と思われていたが、のちの調査でパリと判明)。
会期7月12日まで展示予定の「地獄極楽めぐり図」でも、日本にまだ鉄道が敷かれるよりも前にいち早く、列車を描いている。が、良く知らないで描いているため列車は線路もなく走っている(笑)。


(コンドルが暁斎を選んだ理由)
こうして既に明治10年代はじめには外国人の間で有名になった暁斎ですが、コンドルが明治14年と、少々タイムラグの後に弟子になったのは、勧業博覧会で正当な絵もコミカルな絵も描けると認識してのことではないかとのこと。

また、別の講演では、コンドルが暁斎を選んだのは筆意(しつい)があったからではないかとのお話。筆意とは単なる写実ではなく、そこに情感といったものが表れているということ。

なお、弟子になってから早くも2年後には「暁英」という画号をもらっていますが、それは建築家でもありますし、来日前はサウスケンジントンのアートスクールで絵を習っていたこともあり、もともと絵がうまいということがあったようです。

ちなみに、暁斎が長年つけていた絵日記にはコンドルがたびたび登場します。
はじめはいかにも外国の人らしく、正座できずに寝そべって絵を描いているコンドルさん、日記の後のほうではきちんと座れるようになりました。

(関連文献)
   

●「画鬼・暁斎―KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」展
  開催日:2015年6月27日(土)~9月6日(日)
      *前期:8月2日まで/後期:8月4日から
  開館時間:10:00~18:00(金曜と展覧会会期最終週平日は20:00まで)
  休館日:月曜日(ただし、7月20日と8月31日は開館)
  場  所:三菱一号館美術館
  料  金:一般 1,500円(消費税込)
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